oshigotoの日記

仕事のことについて書いているブログです。

訪問看護ステーションの多職種による生活援助

訪問看護・リハビリは、小児から成人・高齢者までと幅広い年齢を対象としています。そのため、幅広いサービス内容があり、個々の状況によってどのサービスを利用するかということを、契約時に検討しています。その契約に沿ったサービスを、多職種が自宅へ訪問して提供します。主に関わる職種は、ケアマネージャー・看護師・リハビリ専門職・ヘルパーです。

ケアマネージャーは、利用する人の「ケアプラン」というサービス利用計画書を作成します。どのサービスを利用するのか、なぜそのサービスが必要なのか、そのサービスを利用することでどういう効果をもたらすことができるのか等の計画書を作成しています。

看護師は、病状の観察、必要な処置・ケアを行います。定期的な通院に行った場合、その検査結果を把握し、それに応じたケアを追加していきます。訪問をし、病状に何か変化が見られた場合、かかりつけの病院への連絡・報告も密に行ってくれます。

リハビリ専門職は、自宅での生活が行いやすくなるよう、また身体機能が低下しないようにすることを目的にリハビリを行います。病状に変化があった際は、福祉用具・住宅改修の検討を行います。また、介護者の負担軽減を目的に、介助方法の伝達・練習を行います。

ヘルパーは、自宅での生活の負担軽減を目的に、日常生活動作(着替え・オムツ交換等)の援助や家事を手伝います。

訪問時間は、ケアマネージャーの「ケアプラン」に定められているので、限られた時間で個々に最も必要な内容の援助をしていきます。

このように、たくさんの職種が関わり、一人一人の生活を支えています。

作業療法士に多い特徴

仕事を選ぶうえで重要になる事は、志望動機ですよね。

作業療法士の仕事をしている人は、どのような動機がきっかけとなり目指したのか、気になるところだと思います。学生の中には、会社を辞めて専門学校に通い始めた人も多くいる職種なので、とても興味深いと思います。 

福祉ということは、「高齢者が好き」「人に何かすることが好き」という動機が多いのかなというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。私も学生時代や就職後、他の人はどのような動機がきっかけなのかということに興味を持ち、たくさんの人に聞いていた覚えがあります。

多かった答えは、「高齢者が好き」というイメージ通りの答えです。また、「人の役に立つ仕事がしたかった」という素晴らしい答えも多いです。そして、意外と多かったのですが、「おばあちゃん(又はおじいちゃん)がリハビリをしていることをきっかけに、興味を持った」という実際に見て興味を感じたという人です。 

働いていて感じたことは、「皆、患者さんに喜んでもらうことが好き」という思いが強いということです。働いて楽しいこともたくさんあれば、同じ数だけ辛いこともあります。何度も挫けそうになりながら、それを打ち消してくれるくらいの効果があるものが「患者さんの喜ぶ顔」なのです。「辛かったけど、頑張ってよかった。ありがとう。」「家に帰れることが嬉しい」という言葉の数々、満面の笑みなのです。 

仕事を通して感じた、作業療法士に向いている人とは、「人と接することが好き」「忍耐強い」「真面目」「一緒に喜ぶ事が好き」な人だと、感じています。

時代に応じて変化するリハビリテーションの必要性

リハビリテーション職の必要性は、現在も注目され続けています。

以前は、「介護が必要な高齢者が、これ以上介護度が高くならないように」という観点が主でした。しかし、そのような考え方に加えて、新しいリハビリテーションの考え方が生まれました。

近年は高齢化に伴い、施設にあずけたくても入所ができないという問題が深刻になっています。では、どのようなことがきっかけで、施設へあずけることを考えるのでしょう。それは、「動けない」「介護が大変」という状況になった時です。

もう少し掘り下げると、「トイレが一人でいけない」「一人で立ち上がれない」ということが、境界線となることが最も多いです。入浴が出来ない場合は、通所の時間に入浴してもらえば良いので、家族への介護負担はそれほど変わりませんが、トイレがいけなくなると、家族がオムツ交換を1日に何度も行わなければいけなくなります。

また、歩くことが大変になれば車椅子をレンタルすることで生活は行えますが、立つことが出来なくなると、家族が抱えて車椅子に乗せなければいけなくなります。そのため、その動作が境界線となることが多いのです。しかし、そのような状況になって、いざ施設に入所の申し込みをしても1年待たされることもあります。

そこで、「介護予防」です。以前は要支援認定を受けている人に対して「介護予防」が考えられていましたが、要支援でない「自立レベル」の高齢者に対しても「介護予防」が重要とされるようになってきています。このように、高齢化に伴い、これからもリハビリの必要性は十分あると考えられます。

作業療法士の仕事で直面する悩み

どの仕事でも、仕事内容特有の悩みはあると思います。そのような時に必要なのが、同業者で飾ることなく悩みを話すことのできる同期・先輩を持つことです。

自分が直面した悩みと相談を受けた悩みを照らし合わせると、同じなのです。そう、皆同じ悩みを感じているんです。だから同じ悩みを抱えて同期と励まし合って進んでいくこと、同じ悩みを乗り越えた先輩の話を聞いて力をもらうこと、どちらも自分らしく気持ちよく働いていく上でとても大切なのではないでしょうか。打ち明けられずに一人で悩んでしまい、元気が無くなっていってしまう後輩もいました。悩むということは、良くしたいという気持ちがある証拠なので、是非前に進んでいって頂きたいです。また、そういう気持ちで一日一日を重ねていけば、必ず結果はついてきます。

 

今回は、よく相談を受ける悩みとして、2つを提示します。

一つ目は、「先輩がリハビリをすると良くなるのに、自分はあまり結果を出せていない気がする」という悩みです。多くは1~3年目に多い悩みでした。結果として現れる職種だからこその悩みだと思います。しかし、その先輩も1~3年目の時はそう悩んでいたはずです。そこで、地道に苦手を克服しようと取り組んだのかどうかが、結果に繋がるのです。大切なことは、「比べる対象をとするのではなく、自分自身とすること」だと思います。昨日の自分、一カ月前の自分、半年前の自分と比べて成長しているのか、頑張ってきたと言えるのかです。それがあれば、その悩みは自然と解決されていきます。

二つ目は、「治らない病気(癌や難病など)ではあるが受容できていない患者さんから悪くなった」と責められることです。そのような患者さんが多い職場では、それが原因で離職率が高くなってしまう場合も少なくないようです。職場によっては、相談できる場所の設立や職員同士で情報を共有して、どのように関わっていけば良いか等の解決策を考えるカンファレンスの時間を取っている職場も増えてきています。上司に相談し、会社として対策を考えてもらうことも必要な場合があります。しかし、忘れてはいけないことは、患者さんは責めたくて言っているわけではないこと、それほど不安や辛い思いを抱えているということです。

作業療法士の転職先・転職理由

作業療法士が働く場として、病院や老人保健施設、教育機関と多岐にわたります。精神障害分野や発達障害分野の知識も勉強している為、他のリハビリ職と比較しても就職先は幅広いことが想像できると思います。

一般的な会社員と比べ、転職をする人は多く、驚かれることがあります。では、なぜリハビリ職は転職をする人が多いのでしょうか。それは、たくさんの経験をすることが、能力向上に結び付くからです。

例えば、病院勤務の場合、1人の患者さんとの関わりは退院までとなります。自宅で生活できるようにリハビリをし、必要な福祉用具を揃え退院まで関わった患者さんが、実際に自宅へ戻り安全に生活が送れたのでしょうか。他に困ることが生じているかもしれません。その後の声が聞けないため、見落としに気が付かないままとなってしまう可能性もあります。

そこで、3年以上勤務をしたら転職をするという人が多いのです。施設や訪問リハビリへ転職をし、実際に病院の外で生活している方の状況を学ぶのです。

実際に私も転職をし、気が付いたことがたくさんありました。

まず、病院で転ばないように練習をしていた方のほとんどが、自宅で転倒しているということです。病院は十分なスペースがありますが、自宅は物もたくさん置いてあり、段差も要所要所にあり、転倒しやすい状況で生活している人がほとんどでした。環境が違うため、病院で練習した動作も、自宅ではその方法では行えなかったという人も多くいました。そういうギャップを感じ取り、病院では実際どのようなリハビリが必要かということも学んだうえで、再び病院へ転職する人もいます。

高齢化で就職先もたくさんあるので、転職にはあまり困りません。ただし、発達障害分野への転職を考えている場合、年齢制限を設定している職場が多いので、早めに考えた方が良いと思います。

訪問看護ステーションで働く職種

訪問看護ステーションでは、その事業所の規模によって在籍する職種に違いがあります。

基本的に、訪問看護ステーションの運営基準としては、法律で定められている看護師の数が足りていれば、営業は行えます。そのため、管理者と看護師、事務員のみで運営を行っている事業所もあります。

規模が大きくなり、事業所として幅広くサービスを提供している場合、リハビリ専門職やケアマネージャー、ヘルパーも在職している事業所もあります。

しかし、利用する訪問看護ステーションにリハビリ専門職やケアマネージャー、ヘルパーがいないからといって、その職種のサービスが受けられないというわけではありません。その場合は、他事業所の訪問リハビリテーションやケアマネージャー、ヘルパーのサービスを利用することが可能です。可能であれば、一つの事業所で必要なサービスを全て受けられる事業所が近くにあるのであれば、そちらの方がメリットはあります。

サービスがそれぞれ違う事業所の場合、個々に契約を結ぶことになるため、その分時間も手間もかかります。一番のメリットは、同じ事業所に多職種が在籍している為、相談・報告が密に取れるという点です。

例えば、訪問リハビリを受ける日に転倒をし、ケガをしてしまったという時に、訪問に来たリハビリ専門職が同事業所の看護師に連絡を取ってくれ、適切な対応をアドバイスしてくれます。また、定期の病院受診の報告を1人のスタッフに伝えれば、そのスタッフが帰社した時に多職種に伝えてくれ、何度も同じ報告を様々な職種に行わなくても良いというメリットがあります。

一人一人の生活を支え、地域に根差した訪問看護ステーション

訪問看護ステーションの役割は、地域で生活をする医療的ケアを必要とする人が、継続して自宅で安心して生活が送れるようにサポートをすることです。

個々に抱えている病気や症状、どの程度自力で動くことができるのかといった状態も様々です。また、家屋の状況も様々で、段差の高さ・場所、主に生活するスペース(1階なのか2階なのか)、通路や生活スペースの広さ等、状況はいろいろです。

医師・看護師・リハビリ専門職・ケアマネージャー等の多職種と連携し、個々の状況に合った福祉用具の選定や住宅改修の必要性の検討等を考え、自宅での生活が転倒なく過ごせるように考えていく必要があります。

また、介護者の高齢化の問題も生じています。現在は、夫婦共働きが多いこと、核家族化の加速により、介護者も病気を抱えていることが少なくありません。

そのため、どこまで家族が介護を行えるのかを見極めなければ、介護をしていて一緒に転倒してしまうという危険性も考えられます。高齢者の転倒は、それだけで車椅子生活となってしまうと言われるほど、筋力を低下させてしまいかねません。介護者を含め、利用者の生活を考え、サポートをしていくことが大きな役割となります。

このように多職種で連携を取り、一人の生活を考えていくため、カンファレンス(利用者について話し合う会議)が定期的に行われます。そのため訪問看護では、多職種間の気軽に相談できる関係性作りが重要視されています。

地域で多職種との交流会・意見交換会も開かれており、関係性を深めることが利用者へのサービスの質向上に繋がります。